健康コラム ~「月経痛」について ~
今月は「月経痛」についてです。
鎮痛剤は一時しのぎ。体をあたため、血流の流れをよくする食べ物をとるとよい

月経がはじまると下腹部に重苦しさや痛みを感じる女性は多くいます。ただ、なかには月経痛が激しくて、寝込んだり、鎮痛剤を飲まなくてはいられないような人がいます。
このように月経痛がひどい状態を、月経困難症といいます。若い女性の月経困難症は、子宮の発達が十分でなかったり、頸管が狭く、経血が通りにくかったりすると、血液を出そうと子宮がはたらくため、痛みがおこります、ただし出産を経験すると、まったくなくなってしまうことがほとんどです。
中年になってからの急な月経痛は、おもに子宮筋腫や子宮内膜症などの病気を疑わなくてはなりません。
治療は、鎮痛剤の服用でその場をしのぐ方法が一般的ですが、漢方では、血液がとどこおらないように、食べものや漢方薬を処方します。子宮筋腫が原因の場合は、手術をしないと完全には治りません。
月経中は、マッサージや軽い運動で下腹の充血をさけ、冷やさないように気をつけます。

漬けものなどに使用する粗塩を使います。
粗塩は、天然の塩でにがり成分が残っているものです。この塩に月経痛をやわらげる効果があります。特にごま塩入り番茶が効果的です。これを月経予定の2~3日前から、1日に5~6杯飲んでいると、月経中、楽に過ごせます。
また体が冷えて、月経痛がひどくなったときは、いり塩が効果的です。あたためた塩には保温性があり、これで下腹部を1回30分ほどあたためると、月経痛がやわらぎます。
【ごま塩入り番茶】の作り方
作り方 | ①ごま塩をすりつぶす ②番茶を濃く出し、すりつぶしたごま塩小さじ1/2を入れる |
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強精・強壮効果の高いにらには、血液の循環をよくして、古い血を排泄する作用もあるので、月経困難症をはじめ、吐血、鼻血、痔や打撲に効果があります。にらを食べてもききますが、にらのホットジュースにして飲むことにより効果的です。体があたたまり、痛みがひきます。そのあと1時間ほど静かに横になると、月経痛がおさまります。
ただし、下痢をしやすい人、アレルギー体質の人は、多食をひかえるようにしましょう。
【にらのホットジュース】の作り方
材料 (1杯分) |
にら・・・・・・・・・・・・20g(1/5束) ざらめ・・・・・・・・・・・適量 |
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作り方 | ①ごにらはざく切りにし、すり鉢で水分が出るまですりつぶす。 ②茶こしにとり、すりこ木で押ししぼる。 ③絞り汁にざらめを好みの量入れ、お湯を注いで熱いうちに飲む |

春の七草の筆頭を飾るセリは、様々な薬効をもつすぐれた野菜です。高血圧症や糖尿病などのほか、動脈硬化症にもよく効くことから、中国では最近特に注目を浴びています。またセリには、鎮痛効果と血液の流れをよくする働きもあるので、月経痛にはもってこいの野菜です。
特にセリの煎じ汁を飲むとよいでしょう。
1日3回に分けて飲みます。月経に伴う鈍い腰の痛みも楽になります。
【にらのホットジュース】の作り方
材料 | セリ・・・・・・・・・・・・500g 水・・・・・・・・・・・・・600ml |
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作り方 | ①セリを陰干しにする ②陰干しにしたセリ500gを600mlの水で半量になるまで煎じる |
日常生活の注意~月経痛をひどくしない工夫~
- 月経が終わるまで、飲酒はひかえる。月経中に酒を飲んでしまうと血管が広がり、出血量が多くなってしまうことがある。
- 月経中は清潔に保つこと。シャワーを使い、タンポンもこまめに取り替える。不潔にしていると細菌感染し、膣炎や膀胱炎などの原因に。
- 血行をよくするため足浴をする。洗面器に45度程度のお湯を入れ、10分間両足を浸すとよい。
- 経血量の多い2日めは入浴をひかえ、シャワーのみにする。経血量の多くない日は入浴してもよい。
参照:主婦と生活社「食べて治す医学大辞典」
