健康コラム ~「耳鳴り」について ~
今月は「耳鳴り」についてです。
耳鳴りの病気は、症状によってちがう。聞き分けて、原因の早期発見を。
過労や情緒不安定が原因のことも。気分転換が大切

外からの音の刺激がないのに、キーンという金属音や脈打つような音が聞こえるのが耳鳴りです。耳鳴りの原因はさまざまですが、その多くは自然な生理反応であり特に心配する必要のないものです。たとえば、飛行機が上昇・下降するときや、シンと静まった場所にいるとき、鼻を強くかんだときなどにおこる耳鳴りがそれです。
それ以外に、心身の疲労や情緒不安定によって、耳鳴りがおこることがあります。この場合は、あまり深刻に考えすぎないようにすることが大切です。規則正しいリズムで生活し、スポーツなどで気分転換をはかって、ストレスをためこまないようにしましょう。
耳鳴りから考えられるおもな病気
◆ボーという低音の耳鳴り
[外耳炎]
耳の中がツーンとして、かゆみや熱がある。ずきんずきん痛む。耳をさわったり、引っぱったり、口を動かすと痛む。
[内耳炎]
耳がつまった感じになり、強く痛む。夜も眠れないほど痛むこともある。発熱し、難聴、頭痛になることも。全身がだるくなる。
◆金属音のような高音の耳鳴り
[内耳炎]
片方の耳の難聴があり、耳がつまった感じがする。めまいや吐き気、嘔吐を伴うこともある。
[突発性難聴]
突然耳が聞こえなくなる。耳の中がつまったような感じになる。重くなるとめまい、吐き気、嘔吐を伴うことも。
[メニエール病]
片方の耳だけ聞こえにくくなる。めまいの発作が突然起こる。歩くことも立っていることもできなくなる。めまい、耳鳴り、難聴が三大症状。
◆ジーというセミの鳴き声のような耳鳴り
[高血圧症]
頭痛、めまい、頭重、どうき、肩こりなどがある。
[低血圧症]
だるい、頭痛、目の疲れ、肩こり、めまい、眠れない、どうき、息切れ、吐き気、胸の痛み、食欲不振、胃のもたれ、便秘などがある。
[貧血]
顔色が悪い。立ちくらみがする。どうき、息切れがある。爪がわれやすくなりスプーンのようにくぼむ。

漢方では、耳鳴りは腎機能低下が関係しているとみています。
くるみには、たんぱく質、ビタミン、カルシウム、リン、脂質などの栄養分が豊富に含まれているため、腎臓の機能が弱って体力が落ち、耳鳴りのする人によく効きます。また動脈硬化症を予防するほか、美肌効果にもすぐれています。耳鳴りには特にくるみの煎じ汁が効果的です。
【くるみの煎じ汁】の作り方
作り方 | ① くるみの実の中心部にある褐色の木心を5g分集める ② ①をなべに入れ、600mlの水で2/3量になるまで煎じて飲む |
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栗は腎を補う作用があることから、耳鳴りに効きます。特に栗の煮つめ汁が効果的です。
鬼皮をむいて、干した栗15gを600mlの水で半量になるまで煮つめます。この汁を1日に3回に分けて、空腹時に飲むと、くるみと同様の効果が期待できます。

黒豆には、すぐれた解毒作用と腎機能を高めるはたらきがあります。腎機能が低下し、耳鳴りのするときは、黒豆と羊肉の煮物がおすすめです。また黒豆にはコレステロールをとり除く作用もあるので、耳鳴りをおこす動脈硬化も防ぎます。
【黒豆と羊肉の煮物】の作り方
材料 (4人分) |
黒豆・・・・・・・・・・・・60g(1/2カップ) 羊肉・・・・・・・・・・・・500g 塩・こしょう・・・・・・・・各少々 |
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作り方 | ①黒豆は8時間ほど水につけておく ②黒豆をつけ汁ごとなべに入れる。水をつけ汁とあわせて8カップになるぐらい入れて煮る。沸騰する直前、弱火にし、豆がやわらかくなるまで約3時間煮る。 ※黒豆が踊らない程度の弱火にする。火が強いと豆の皮が破れてしまうので注意 ③羊肉はゆでてあくを抜く。そして②に加え、弱火で30分ほど煮る ④塩、こしょうで味を調え、さらに30~40分ほど煮る |
参照:主婦と生活社「食べて治す医学大辞典」
